【ボランティア】コミュニティビジネスが産みだす新たな問題【低料金】
11月になりました、今年もあと2か月、僕のブログが今年いっぱい持つのかわからないですが、可能な限り続けます。どうも、ginetanです。
ここ1,2年コミュニティビジネスが流行ってますよね。都市部への人口流出に伴い、地域の活力が失いつつある地方において、地域資源を活用して、活性を図るという点で、行政が推進しやすいこともあると思います。ただ、個人的には良いことばかりではないと考えます。
コミュニティビジネスとは
そもそもコミュニティビジネスの定義ですが、経産省の定義では
「コミュニティビジネスとは、地域の課題を地域住民が主体的に、ビジネスの手法を用いて解決する取り組み」と捉えています。 近年、“ソーシャルビジネス”という言葉が使われるケースが増えていますが、“ソーシャルビジネス”が社会的課題全般の解決を目指すのに対し、“コミュニティビジネス”はそのうちの地域的な課題に特に着目しています。従って、“ソーシャルビジネス”は“コミュニティビジネス”を包含する概念ということもできます。
となっています。地域におけるコミュニティビジネスの広がりは良いことだと思います。上にも書きましたが、近年都市部への人口流出により、田舎において各分野にかけることができる労力が少なくなってきています。例えば、人口が少なくなった地域ではこれまで各個人がボランティア的に行ってきた草刈りが行えず、道路脇が荒廃したりします。こういうのって、各個人が家の周りの私道をボランティアで行っていたから成り立ってましたが、一人でやろうとおもうとなかなかできません。例えば、地域内の時間が余裕がある人で、有償で草刈りをしてまわる。そうすると、プロに頼むと確実だが、立地的に難しい、頻度が多く費用が莫大にかかるっといった問題を解消できます。
コミュニティビジネスのメリット
例えば、上記の草刈りにしても、地域の住人にお金がおちるため地域内でお金が回り、外部への流出がすくなくなります。他にも、例えば飲食店がない地域で日時を限定して小規模サロン喫茶を開いた場合、人が集まる機会を創出するだけでなく、これも地域内で少額でもお金が回ります。
大きく利益を求めるのではなく、持続可能な程度の利益を上げることを目指すことで、運営にかけるリソースを少なくできますし、退職後の高齢者などが比較的、安い賃金で働いてくれることもあるので、最低限の費用で運用でき、失敗した際のコストも抑えられます。
今回上げた例などだと、これからもっと増加していく、高齢者の働く場所を確保でき、高齢者は少しでも働くことで健康を維持する補助にもなっていきます。
特にコミュニティビジネスは限られた地域内での活動を目的としているため、似たようなコミュニティビジネスを近隣の他地域で立ち上げたとしても競合しにくいのもメリットです。
何処が問題ないのか
では、どこが問題なのか。上記の場合、地域内にすでに市場原理が動いていないので、コミュニティビジネスとして活動しても問題ないです。しかし、地域内で市場原理が動いている場合は既存の企業、店を大きく圧迫します。
空き店舗、空き家などを活用して開かれることが多い、高齢者向けの軽食喫茶サロンなどだと、特に上記の問題が起こりやすいと思います。地方で個人で営業行う喫茶店などは比較的小規模の喫茶店が多いです。多くは脱サラや昔ながらの店だと思います。そういった地域内でコミュニティビジネスとして空き家、空き店舗で喫茶店を開くと、少なからずとも既存の喫茶店の売り上げを下げるという問題が生じます。
市場競争原理が働いている中で、新規に店が開店するというのであれば問題はないですが、今回の場合だとコミュニティビジネスとして開いています。こういった場合、退職した高齢者などを雇用しているため、比較的人件費は低く、大きく利益を上乗せする必要性が薄いため、提供価格も安いことが多いです。
その結果、これまで既存の喫茶店に行っていた客が、コミュニティビジネスの喫茶店の方に流れ、既存店の売り上げを圧迫するという現象が起きます。
通常であれば、新しい店に古い店が淘汰されただけで、新しい店が続いていくことができれば、地域としては問題ないのですが、ここにもコミュニティビジネスとして展開することの問題点があり、コミュニティビジネスは一部のリーダーが指揮を執り展開することが多く、一部大規模NPOや公益団体が運営する場合を除いて、次のリーダーが育ちにくいです。
そのため、立ち上げたリーダーが引退等になった際に閉店してしまう可能性が大きいのです。結果、既存店が閉店した後に、コミュニティビジネスで立ち上げた喫茶店等が閉店し、地域には何も残らない結果になるといった問題も起こりかねないと思います。
どうするべきか
じゃあ、どうするかって話になりますが、ホント偉そうな発言ですが、既存の店、企業に対する影響をもっと精査するべきだと思います。よくも悪くもコミュニティビジネスを始めるにあたっては、行政が絡むことが多いためか、地域の問題点、どういった地域資源、資産があるか、どのくらいの広がりがあるかといのは精査されますが、悪影響については精査、評価されにくいです。
各市町村でコミュニティビジネスに対する補助金はありますが、その補助金を申請する書類には大体「どういった効果がありますか?」といった項目はありますが、悪影響があるかどうかを聞く質問はありません。基本的に補助金を投入するという点で、悪影響を及ぼす可能性があるなどは書けないんですよね。公金ですから。
始める方も、良い影響をや効果については精査しますが、それが悪影響を及ぼす可能性はあまり考えません。そもそも、良いことだと思ってやっていますから。
結果、進めるにあたっての壁や企画自体の問題点は指摘されても、周りに対する悪影響については考えられることなく進んでしまうのです。
既存の企業、店の売り上げにどのような影響を及ぼすのか、それが結果として悪影響を及ぼさないか、最悪及ぼしたとしてもコミュニティビジネスを展開することでプラスになるのかを検証する必要があると思います。
最後に
結局言いたいのは、コミュニティビジネスを展開することが必ずしも地域に良い影響を与えるだけではなく、悪影響を受ける人たちもいる可能性があるってのをわかってほしいですね。そうしないと、せっかく地域の活性化のために取り組んでいるものが、地域の活力をより奪いかねない事態も発生するかもしれません。
*1:出典:経済産業省 関東経済産業局