Uターン経験者の田舎ブログ

北近畿で生まれ育ち、新卒Uターンした僕が、UターンやIターンについてや、田舎での過ごし方など、田舎出身者からみた移住のことなどに加え、育児や日々のことを書いていきます。

【時は金なり】やっぱり田舎に高規格道路は必要だと思う件

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今日は京都市内に出張でした。田舎の従業員10人に満たない超零細企業でサラリーマンをしていますが、月に1~2回くらいは京都、大阪に出張に行きます。営業目的もありますが、業界団体の集まりだったり、セミナーだったり理由は色々です。

 

現状、僕の住んでいる地域から大阪、京都市内に行こうと思うと、大阪で2時間半、京都市内で2時間程度掛かります。どちらも、車で高速を利用しての時間です。そのため、ちょっと大阪京都に行くとなると用事の時間より、移動時間の方が長いことがざらです。

 

よく、高速道路が開通すると地方は衰退するといいますが、私的には高速道路は必要かと考えます。

 

 

そもそも、高速道路が整備されることで、地方が衰退していくという話ですが、一般的にはストロー現象がよく問題提起として出されます。

 

そもそもストロー現象って

要は高規格道路の整備により移動時間が短縮され移動が容易になることで、地方部の人材、お金が都市部へ吸い上げられるという現象です。

 

これまで地元の商店で消費されてきたお金が、都市部に吸い上げられる。

地元に帰るのが容易になることから、両親の事や、家の事で地元に残ることを選択してきた人が少なくなる

 

などが考えられています。また、ストロー現象とは少し違いますが、移動時間が短縮されることで、これまで宿泊を伴っていたものが、日帰りでも十分問題なくいけるようになり、旅館などの宿泊客が減少するという問題点なども懸念されています。

 

他にも、地方と都市部という関係性ではないですが、目的地と中継地で、高規格道路の整備により中継地が寂れるなどの問題も懸念されています。

 

実情はどうなのか

じゃあ、実際の状態はどうなのかってところです。

京都府道路公社が作成した資料がありますが、高速道路が開通に比例して観光客の入込数は増えていますし、観光消費額も増えていっています。産業面を見た場合、府や国の優遇制度が合わせて展開されているにしても、舞鶴港の取扱い貨物量、製造品出荷額、工業用地取得額と軒並み増加しているのが分かります。

 

今年7月に全線開通した京都縦貫道ですが、各区間の交通量は1割から7割のび、現在の終点地域である天橋立では主要観光地来場者数約3割増、観光消費額約3割増、滞在時間1割増ということらしい(出典:国土交通省近畿地方整備局)

 

少なくとも、プラスの効果も今のところは見られている。実際のところ、京都のICから高速に乗ると、約1時間で天橋立までくることができる。これまで1時間半以上はかかっていたものが、30分程度短縮される効果は大きい。往復で1時間以上は確実に短縮されたことを考えると観光地としては十分にメリットだと思う。

 

京都市内とかだと、これまで湖水浴や須磨の方にいっていた夏場の海水浴客が丹後半島に流れるには十分な要素だと思う。夏場の海水浴客自体は客単価としては高くない部類だろうが、これまで丹後地方に見向きもしなかったユーザーが新たに顧客になる要素ができたのは大きい。

 

 

デメリットはないのか

じゃあ、デメリットはないのかというと、少なからずはあると思われる。特に中間地域はこれまでの人の流れとは全く変わってくるため、観光客を相手にしていた企業の売り上げ低下は避けられないと思います。

 

ただ、全体で考えると京都縦貫道においてはメリットの方が大きいんじゃないかなというのが本音です。

 

観光の面で考えると、丹後地域は基本夏の海水浴客と冬のカニシーズンがメインです。カニ観光の場合、日帰りのツアーと温泉とカニをセットにした泊まりがメインです。両方とも移動時間が短縮されたことで、丹後地域への滞在時間も延びると考えられますし、これまで福井や兵庫、鳥取方面に流れていた客が移動の負担が下がることから丹後地域を選ぶ可能性が上がってくると考えられます。つまり、日帰りの客が増えるかもしれない可能性を秘めつつも、これまで他地域にとられていた客を丹後地域に誘導できる要素が生まれてきたのです。

 

人的な面で考えると、高速道路の開通で人の流出が激しくなるよりかは、田舎に戻ってくる人が増えるのではないかと思います。これまでは、田舎に戻ると都会に遊びに行くにしても宿泊を伴いましたし、往復5時間6時間ざらにかかっていました。一方現状では往復4時間、場所によっては4時間切ります。そうなると、要は気軽に行けるんですよね。無理に都会に住まなくても、田舎に住んで、行きたいときに都市部に買い物や遊びに行くというのができるようになります。

 

これまでは、その便利さゆえに都会に残る人が多かったですが、ネットの発達と高規格道路の整備で都市部にいなくても、比較的便利な暮らしができるようになってます。住む場所が物的リソースに影響を及ぼさなくなってくるので、必ずしも都市部に住まなければ便利さを享受できないってわけではなくなってます。

 

仕事さえどうにかなれば、田舎に戻ってくる人、IターンやJターン者は、高規格道路がつながっていない地域と比べ多くなると思います。

 

 

 

結局のところ、ストロー現象が起こるかどうかはつながる地域の特性によって左右されるのであって、どの地域にも適用されるものではないのだと思う。大切なのは、地域特性を鑑みたうえで、その地域にとってどう活かすかということじゃないでしょうか。